仏教における、衆生が生前の業によって生まれ変わりを繰り返す、という輪廻の世界観。その分類が6つあり、六道輪廻という概念は有名ですね。様々な人と関わっている中で、ふと「この人はまだ以前と変わらず同じようなところをグルグルと廻っているな」と感じることがあります。
自分に起こる現象というのは、自分自身の根本が生み出しているわけですから、解決したい問題や乗り越えたい課題があるならば、その場しのぎの対処療法ではなく根本改善が必須となるでしょう。
そうしないと、似たような問題がまた繰り返されるわけです。それに気づかずに、同根の問題を“自分で”繰り返し起こしている人は多いのではないでしょうか。
繰り返される問題は言わば生活習慣病のようなもので、表面的に顕れた悪い部分を手術で強制的に取り除いたとしても、生活習慣を改善しない限りまた病気になるのと似ています。そのような光景を眺めていると、「人間を生きながら餓鬼道を歩むような人だな」などと感じてしまうことがあります。これを体系化して「六道輪廻性格診断」と名付け、他人様が輪廻している世界を独断と偏見で分類して“一人で”楽しんでいるというわけです(笑)。「あなたは畜生道に生きてますね」なんて言えませんから(笑)。ただ、面白いので自分がどんな世界を輪廻しているのか、診断チャートをつくってみたので、この記事で紹介したいと思います。
六道輪廻とは
その前に、まず六道について簡単に説明し、その上で性格分類を解説していきましょう。
六道とは、天上道(または天道、天界道)、人間道(または人道)、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の6つで構成されています。
天上道、人間道、修羅道を「三善道」、畜生道、餓鬼道、地獄道を「三悪道」または修羅道もこちらに加えて「四悪道」と呼ばれ分類されることもあります。
それぞれの世界についての説明は、めんどうなので以下にウィキペディアの内容をそのまま抜粋しました。
天上道
天道は天人が住まう世界である。天人は人間よりも優れた存在とされ、寿命は非常に長く、また苦しみも人間道に比べてほとんどないとされる。また、空を飛ぶことができ享楽のうちに生涯を過ごすといわれる。しかしながら煩悩から解き放たれておらず、仏教に出会うこともないため解脱も出来ない。天人が死を迎えるときは5つの変化が現れる。これを五衰(天人五衰)と称し、体が垢に塗れて悪臭を放ち、脇から汗が出て自分の居場所を好まなくなり、頭の上の花が萎む。天の中の最下級のものは三界のうち欲界に属し、中級のものは色界に属し、上級のものは無色界に属する。
人間道
人間道は人間が住む世界である。四苦八苦に悩まされる苦しみの大きい世界であるが、苦しみが続くばかりではなく楽しみもあるとされる。また、唯一自力で仏教に出会える世界であり、解脱し仏になりうるという救いもある。地表の世界。三界のうち欲界に属する。
修羅道
修羅道は阿修羅の住まう世界である。修羅は終始戦い、争うとされる。苦しみや怒りが絶えないが地獄のような場所ではなく、苦しみは自らに帰結するところが大きい世界である。
畜生道
畜生道は牛馬など畜生の世界である。ほとんど本能ばかりで生きており、使役されるがままという点からは自力で仏の教えを得ることの出来ない状態で救いの少ない世界とされる。他から畜養(蓄養)されるもの、すなわち畜生である。地表の世界。三界のうち欲界に属する。
餓鬼道
餓鬼道は餓鬼の世界である。餓鬼は腹が膨れた姿の鬼で、食べ物を口に入れようとすると火となってしまい餓えと渇きに悩まされる。他人を慮らなかったために餓鬼になった例がある。旧暦7月15日の施餓鬼はこの餓鬼を救うために行われる。地表の世界。三界のうち欲界に属する。
地獄道
地獄道は罪を償わせるための世界である。地下の世界。三界のうち欲界に属する。詳細は地獄を参照のこと。
以上の六道を前提として、現世を生きる人間に対して、性格としての解釈を勝手にさせていただきます(笑)。。
性格分類「天上道」
特に問題意識や課題意識を感じる事なく、人生を楽しんでいるような人。周りの人から見れば、「あの人は大して努力をするわけでもないのに、なんであんなに順風満帆に人生を過ごせるのだろう」と、羨ましがられることもある。一見、素晴らしい世界に思われるが、問題や課題、即ち壁が無いということは成長もない。成長するために生きているわけであるから、筋トレをしながら何の負荷もかけなかったり、ある意味では夏休みの宿題を後回しにして遊び呆けている状態にも近い。
性格分類「人間道」
基本的には四苦八苦という苦しみから離れられず、喜怒哀楽があり、良いことも悪いことも起こるが、その都度真正面から向き合ったり、乗り越えていくような人。自分で解決できない事があれば他者に悩みを相談し、それをしっかりと受け止め実践しクリアしていく。その姿は、釈迦の説法を聞いて菩提心を起こし解脱していく、こんな風にも解釈できよう。
性格分類「修羅道」
正義感が強く、自分の正義を相手に押し付けてしまうような人。自他共に厳しいことが多く、周りに気を遣わせていることが多い。白黒はっきりつけて、自分の価値観を正解だと思っているため、他者の否定もする。また、血の気が多く喧嘩っ早いのもここに含まれる。
性格分類「畜生道」
本能ばかりで人間としての理性がきちんと機能していないような人。つまり自分で意思決定をしたり責任をとったりすることを嫌う人。自分の責任ではなく、いつも人のせい、何かのせいにして自分で舵を取らない。社会の流れに任せて、勝手に降ってくる幸運をただただ待っている。
性格分類「餓鬼道」
満たされることのない欲を追求し続ける人。食欲、性欲、睡眠欲を制御できずにだらだらしたり、あるいは物欲、金銭欲、名誉欲、権利欲に溺れ、どこまでも貪欲に強欲に求めてしまう。最終的に行き着くところは“虚しさ”である。
性格分類「地獄道」
いつも自分や他者を責めたりして、苦しめているような人。物事をマイナスに捉えがちで卑屈になってしまうことが多い。陰気な空気感は周りもドンヨリさせてしまう。悲劇のヒーローを演じたい人もここに含まれる。
これらを性格診断チャートそしてまとめてみましたので、ぜひ遊んでいただけたらと思います。あくまでも独断と偏見ですので、「誰が畜生じゃあ!?」のようなクレームは受け付けません(笑)。
左上からスタートして、直感で「YES」「NO」に答えてくださいね。
ABCDEFのいずれかにたどり着いたら、下記の性格分類表にそれぞれ記号と輪廻の世界が対応させて一覧表にしているので、自分がどの世界を生きているのか確認してください。
左側に性格の特徴が書いてあります。右側には、六道から救ってくれる観音様というのがありまして、その観音様の種類と、いかにして向き合えば、今の輪廻から抜け出せるのかヒントや課題を記しています。
あくまでも遊びではありますが、個人的にはなかなか良い線をいっているのではないかと自負しています(笑)。
基本的な考え方としては、人間を生きるからには「人道」の生き方をする事が望ましいと思われます。しかし実際、世の中は“人間の皮を被った別世界の住人”で溢れているのです。また、時と場合によって違う世界に生きているということもあるでしょう。
厄介なことに、「この人は○○道を輪廻しているな」と気がついても、周りの人が強制的に正すことはできません。自分自身で気づき、「変えたい、変わりたい、成長したい」と望まなくては決して変わることはできないのです。
正すことはできなくとも、六道輪廻性格分類を通して変わるキッカケにでもなれば嬉しく思います。
今いる場所から抜け出さずに、同じようなことを何度も繰り返して成長をしないのは、生きながらにして六道を輪廻しているようなもの。私たちは、せっかく人間の世界を生きているわけですから、精進して生きていけると良いですね。